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  生コン打設時のバイブレーター
生コン打設時のバイブレーター

 小擁壁を施工した時の話である。

会社の従業員の給料支払の為、副業で建設工事をしていた時の思い出
である。

 型枠を組んでそこに鉄筋を敷設,布設し、Pコンとセパを入れて型枠を鎖で巻いて生コン車の到着を待つ。

 『レディースミクストコンクリート納入書』に納入時刻が予め決定しているから
時間厳守である。

 生コンクリートが固まるから、現場に一番近い生コン屋から納入してもらう。

『打ち込み』作業が終わると完了時刻をこちらで記入して帰ってもらう。
 
 小工事だった為0.6㎥で良かったのだが最低1㎥の購入になるからと
同じ金額となる。 

 下請けの職人がじゃあ0.4㎥をネコ(一輪車)にくれと言うと生コン屋は喜んで入れてくれた。
 
 そう、生コン屋も持って帰ってもしょうがないのである。

 下請けの左官は近所の別の現場のブロック塀の下端である基礎コンクリートに
使うからと現場を離れた。

 そう、コンクリが固まるまで左官はする事が無いのである。

 ここからは型枠職人の出番であり、打設直後のコンクリートにバイブレーターを入れる。

 振動を与えて「締め固め」という作業になる
 
 コンクリート内の空気(気泡)を抜く作業である。

 鉄筋とセパと型枠の間にしっかり流し込まないと過去に述べた
『ジャンカ』が発生するからである。

 3時間程経ってから、現場から姿を消した左官(仮称:村山さん)が帰って来て半渇きの天端を金鏝仕上げしてまた姿を消す。

 3日間の養生後、型枠をばらして擁壁のせPコン跡をモルタルで埋めて隅々を
金鏝仕上げして工事完了である。

 ちなみに、時効硬化と言うが経験上、このコンクリートが乾燥して強度が増す為には実際には1ヶ月程掛かる。(諸説あり)

 しかし現場は竣工写真を撮影して工事の請求書を発行する。

 今回、言いたいことは現場で0.4㎥の生コンをパクった左官:村山さん
の事である。
 
 自分の別件の現場のコンクリをタダで入手して多分施主にはその基礎工事のコンクリ代を請求するのである。

 後日、村山さんに面会した時、残りのコンクリをただでもらってその分
施主から金もらって儲かっただろうと他の職人からからかわれていた。

『じゃあ、あの時余った生コンはどげんすっとや!捨てるしかないやろ
という事は捨て代(産廃処理費用)がかかるやろ。
俺は有効利用しただけたい。』
…笑いながら、小生にまた宜しくと発言してCB塀を組積して働いていた。
うーん、職人の知恵であるのか何なのか不明。
忘年会でその事を言及してみたが、施主にはコンクリ分はただにしてやった
とのたまう。
 みんなから『うそつけ~』と言われていた。

令和7年12月27日


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