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既設配管の殺し 『元の配管ば殺してからバイパスにしてお湯の出るごとしたけんが。』
既存の漏水している配管を修理することなく撤去もしないで放置して 改めて新しい配管を違うルートで布設した…と和訳
乱暴な表現で申し訳ないが長崎市の設備屋の発言である。
ちなみに契約者が『おい、水道屋!』と呼んでいたのが面白かった。
今時、その呼び方は無いぞ。『おい、設備屋!』だろうと思った。
長崎市では既存の配管を内壁の中(ボードとコンクリート躯体の間)や天井裏や 床下(フロア合板とコンクリート床スラブの間)にある給水や給湯配管を捨て置き放置することを「殺す」と言う。
そしてその捨てられた配管を『死管』と言う。
まるで、広域災害の対策本部でその処理が80%終了し、地元に帰って いいぞと言われる鑑定人の様に。
『死鑑定人』と言えるかもしれない。
内装を解体して既存の配管を取り出してその部分を修理すると手間が掛かり、人件費(手間の人工代)が掛かるという費用的な面や技術的な面から既存配管を解体撤去しないで隠蔽しておく事を「埋める」 とも言う。
経年著しいRCの分譲マンションの給湯管から漏水した場合、その配管を 既存流用せず、改めて別ルートで給湯管の配管をする場合が多くなって 来た。
近年の鞘管(ヘッダー配管)と異なりエルボで垂直に曲げて施工せず 楕円を描いてストレスの無い配管に替えるのが普通になって来た。
古い配管は埋めて殺すという漏水現場の常識の様に、古い鑑定人は 埋めて殺される時代になるかもしれない。
自分の事だけに笑えない。
令和7年12月26日
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