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依頼放火事件 その6 Final chapter of this story
この物語はフィクションである。
お気づきであろうか?
保険会社は無責で1円も払わないと法定代理人を使って発言済みである。
いまさら保険金詐取の疑いで保険会社にチクられても痛くも痒くもない。 なんにも変わらないし、お咎めなしである。
本件は単に闇金業者に対する洋子の借金が出来ただけである。
民事上の事であり警察は関係ないし、保険金詐欺未遂で洋子が犯人である。 洋子はいつのまにか自分が悲劇のヒロインとなってしまった。
若いころルックスがよく男性にもてた経験のまま中年を生きていると こうなる。
放火立案犯が放火実行犯の元締めを恐喝で警察に通報するとは 物笑いの種になった。
この物語で言いたい事は近年の自放火は火付け役に依頼してもメリットが無くどうしてもやるなら自分で実行するしかないという事である。
鑑定人諸氏も火災現場で調査する際、出火原因は鑑定人の仕事では無いと勝手に決めずに、当該フィクションの様にその背景を鑑み、保険会社に 報告すべきである。
出火原因調査費用が鑑定料に反映しない部分がネックであるが、 火災発生し、鎮火後一番に現場に行くのが鑑定人である。 焼場は日にちが経つと雨ざらし日ざらしで現場の様子が変化する。 火災から1ヶ月も経過すると油性反応も出にくい。 現場立会時からその出火の矛盾点に気付いたなら、速やかに報告しましょう。 若手鑑定人が得意な手法で、現場からリアルタイムで写真をメールで送ればよい。 まあ、小生はそんな暇がある火災現場にまだ居合わせてない。
写真撮影、図面作成、面積(㎡数)測定、保険の目的に合致しているか等の調査で小生には現地から直ちに速報を送れない。 現場で画板にメモをしつつ、関係者からの事情聴取…etcをしていたら、そんな余裕は無い。
現場調査が終了してもその足で法務局の字図を閲覧に行き なんと登記されていない等の事実確認等で忙しい。
昼飯なんて食えずに頑張るのだが、この手法も古いらしい。 ネットで謄本取れるよとのご指摘である。 登記されていない場合はその土地や周辺の土地の所有権を確認して 所有の寄所を探す行為までしていたら、多忙過ぎるのである。 事務所に帰社してから深夜残業して速報を送れば宜しい。
この発言も『働き方改革』のガイドラインに抵触してしまうが、この仕事の性格上仕方ない。
現場は水物であり、都会の真ん中の火災ばかりではなく、フェリーで片道 3時間の離島の火災現場もあり、一概には時間的に難しい。
帰りのフェリーの中でパソコンでレポート作成したことが多々あるが、 船酔いでやられ食したものをすべて海にリリースする時が多い。
凪の日を選んでに離島に行くわけでは無い。 若者は写真を撮影しラインで『火災現場ナウ』と送信すると聞いたが 弊社では有り得ない。 守秘義務や個人情報保護法を無視していると思っていたが、 今はきっとそんな時代であろうと納得する。
やはり小生はロートル鑑定人なのかと考える日々である。
令和7年11月13日
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