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依頼放火事件 その3
この物語はフィクションである。
その3には小生の学生時代の実話を明記する。
大学時代の寮生活をしていた際に機械工学科の先輩が 寮の庭でパーツクリーナーを噴射し、そこに百円ライターで着火し 火炎放射器の原理を指導して頂いた。
…1年生の小生は『こいつは危ないヤツだ』と思いながら…
ちなみにこの先輩は名車:〇X-7を生産していた東〇工業へ就職して その後連絡が途絶えたが頭脳明晰の優秀な御仁であった。 数学や物理学は天才であったが行動が危険過ぎた。
当時、寮の内部では変人と言われた天才肌の先輩ではあったが
誤って、近所に延焼して火事になったらどうするのか等、この御仁が考える訳も無く火炎放射器の実演をしていた。 …ここは事実で実話である。
…そう、当該火災の放火方法はこの手法であった。
真夏でも乾燥していた屋根裏に混合ガソリンを撒き、天井点検口から パーツクリーナー放火をしたと思われた。
○○先輩お元気ですか?もう、定年退職なさっていると思いますが…
過去のご享受ありがとうございました。
おかげで出火原因がわかりました。
ただ問題はその火は誰が着けたかと言うことである。
洋子にはそんな知識も経験も無い。
ネイルアートが出来ても科学的な、化学的な手法など知る由もない。
…蛇足ながら、同じ寮生だった○○先輩が犯人かも等、勝手に想像した。 フィクションの中に、小生の過去の大学生時代のファンタジー満載の『○○寮』の実例を混ぜた。 週末のレジャーでキャンプに行ってバーベキューをする際、炭に火が付きにくい場合、パークリ1本車から持ってくればバーナーは不要である。
…当該火災現場には使用されて、まだプラスティックのノズルが付いたまま のパーツクリーナーが残存し、その建物の中に焼損した2ストロークのバイクがあった。
タンクの中の混合ガソリンを抜いて散布してパークリ火炎放射器で着火であろう と推定した。
はっきり言ってオフロードマシンのガソリンをその場で抜くのは簡単である。 タンク下部から透明なチューブでキャブに接続していて、工具無しで ガソリンが抜ける。 …それはバイクメーカーが悪いのではなく、整備上の利便性向上の為 その様に作っているのである。
火災は魔物である。 学生時代の寮生活とは異なり、鎮火して現場で調査するのは至難の業であり、危険も伴い、鑑定人として真剣勝負をしている。
まあ、業界人の誰も気にしていないところが寂しい。
令和7年11月10日
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