It’s not my job. 俺の仕事じゃない。水害編
3mの高さの石垣の上に所在する専用住宅があった。
折からの水害の季節、19年前、石垣が崩壊して道路に崩れた事案。
石垣が崩れたが母屋に全く被害が無い。
門塀垣含む契約だから、垣で石垣は対象になるという主張。
しかも母屋から10m離れている。
所謂お城の敷地の石垣が崩れた感じである。
明治時代に組積された佐世保市特有の砂石(ずないし)の土留めであり、 石垣の擁壁である。
今ならコンクリート擁壁になる。ある意味基礎でもあり、基礎含む契約だから 払えとのご主張。
販売代理店は門塀垣含むで、基礎含む契約だから支払えという。
保険金額\5,000,000で石垣の復旧見積書が\10,000,000超しかも コンクリート擁壁に変身し、道路のアスファルトの補修込みである。
そして販売代理店の親戚の家である。
販売代理店(Aさん)の勢いは止まらない。
A氏said『火災保険でまず水害として満額\5,000,000払え。 AMTオーバーで全額たい。そして個賠(個人賠償)で道路の復旧費用を 佐世保市に払え。』 …無理だ。一銭も払えない。
1.火災保険はその母屋の損害が30%超の損害があるか床上浸水かの 2択である。 どちらも該当しない。
母屋に被害が無いと1円も払えない。
2.個賠についても不可抗力の中での議論であり、賠償責任は発生していない。
A氏said『火災保険はアマウントオーバーやろう。母屋の被害がどうのこうのとか知らんし、保険会社は払うって言うたばい。後、個賠やけん被害者の 佐世保市と話せ~!。』
2つの事をいっぺんに言うなと思った。
高さ3mのこの字型の石垣は再調達価額は約\8,000,000くらいであり、 保険会社はこの分の保険料はもらってない。
屋外設備装置であるからいかに母屋が3級(C級)であっても 4級構造として明記して引受けるしかない。
しかし、地盤に保険をつける人は存在しないから保険会社も引受しないであろう。
A氏said『道路の復旧費用は不可抗力で払えんって佐世保市に言え! その為の個賠やろうが!』
It’s not my job. 俺の仕事じゃない。
約款で言うところの垣は石垣じゃなくて『生垣』等のことである。 所謂塀の部類である。
都合よく解釈すんなよ!…と思ったが、この現場は保険で対象になる 部分がひとつも無かった。
令和7年6月28日
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