銀行の支店新築工事の業者の選定 bid-rigging
ある銀行が支店の新築工事の建築業者の選定で同行の預金残高の1番 2番,3番の3社から相見積書を入手した。
そう、自分の顧客に新築工事を依頼するのである。 当然の成り行きであり、自社のお客様に恩返しの意味もあるし、 すばらしい。
大口預金1番は95,000,000円程の新築工事見積金額、2番手は90,000,000円程の見積金額,3番手は85,000,000円程であった。
当然企業としては一番安価な3番手の85,000,000円を新築工事として 発注することとなりつつあった。
本当は大口取引先の1番手に発注した方が銀行経営としては顔が立つ。
頭取の鶴の一声で話がひっくり返り一番高い1番手業者に発注した。
頭取said『10,000,000円損するが、後から定期預金の締結, 融資による利息,いろいろと回収可能で新築工事に費やした以上に 後で金をとれる。』
いやーっ 世知辛いなぁ-。
銀行ってそんな事まで考えて商売やるんだなぁ…
現実は小説より奇なり。 この3社は銀行とは別に業者間で話し合いがついており、 1番手が元請け,2番手が下請け,3番手が孫請けで工事着工となった。
いわゆる談合である。 この辺では別に普通のことであり、『ウチもハッピー、オタクもハッピー』 で建設業界が成り立っていて、これを共存共栄とか棲み分けと言う言葉で正当化する。
更にこのやり方は誰も傷つかないし、誰も経済的に困窮する事はない。 そしてこの行為を伝統と呼ぶ。
官製談合などは法律的に倫理的に問題があるが、
民間取引の中では各社の利益と生存権が守られて、他県の同業者から仕事を取られる事を回避している。 う~ん、正しいのか、間違いなのか、謎は深まるばかり… こういう流れの事案を当該銀行の別働隊の損害保険代理店が新築工事の 建設工事保険を強制的に付保させるが、この時点で10,000,000円の差額の回収が始まっているのかと思うと不思議な感覚である。
もちろん、建設工事保険は物保険として素晴らしい保険であり、 すべての建設業者にお勧めしたいくらいではある。 しかし回収目的の付保に見える。 うーん、これが経済か?微妙である。
令和7年5月8日
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