ソルベントクラック
経験豊富な設備業者やパイプメーカーはSCと言っている。 サービスセンターの略では無い。 胃腸が弱い小生は日頃から胃腸薬のお世話になっている。 本題は大鵬薬品工業の胃腸薬のソルマックでは無い。 火災鑑定工業のコラムのソルベントクラックである。 ちなみにソルマックはよく効く。二日酔い等にはお勧めである。
損害保険におけるソルベンシーマージン比率でも無い。
ソルベントクラックのことである。
新築現場やリフォーム現場で給水管からの漏水事故の話である。 前回、給湯管の漏水事故について述べたが今回は給水管の事である。 博多にいた時、水漏れ事故ばかり立会していて『漏水鑑定人』と 呼称された時期があった。
バケツの水をひっくり返しての漏水事故は個賠とか言われていたが、 そもそもバケツなんて使っているマンションが無く、その事故は一回も 立会調査したことが無い。 熱帯魚の水槽の水がこぼれた等しかなく 大半が給湯管,給水管,排水管からの漏水である。
真面目な話に戻る。
使用中の給水用継手に亀裂が発生する要因は下記1~4が考えられる。
1.外部からの衝撃(打撃等)。
2.脈動水圧(ウォーターハンマー)による樹脂パイプの疲労破壊。 ~破断面には年輪状の疲労痕を伴うから部材を確認するとわかる。
3.設備業者の施工時の挿入応力が大きい受口奥部に亀裂が発生。 ~複数の亀裂が生じる事も希では無い。 4.有機溶剤の介在によるソルベントクラック ~ソルベントクラックとは有機溶剤で樹脂の分子構造が破壊され、応力(エルボ等の継手の場合は成型時の残留歪みや管の挿入により発生する力)の作用で亀裂が発生する事を言う。
RCのコンクリートスラブ上の床組(鋼製束とコンパネの間)に配管を施工する場合が多く脱衣室等で転ばし根太を施工する場合、その床組の木材に 防腐剤のクレオソートを塗布するが、誤ってその液体が給水管に付着したままだと、継手エルボ部分に亀裂が入ったり破断し易い。
これがソルベントクラックの原因であり、継手エルボの亀裂、割れに繋がる。
以外と現場監督や元請けや工事現場の職人達の間では知られておらず、配管業者(設備業者)の責任を問われる。
意外にも別の原因であり、責任の所在が違う。 配管設備業者の責任では無い。
令和7年4月8日
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